「先生、ChatGPTで調べたんですけど、私くらいの状態だと余命6カ月くらいだって出たんです。本当ですか?」 外来でこう切り出されたことは、ありませんか。まだ経験されていない方も、そう遠くないうちにスマートフォンの画面をこちらに向けて、そこに表示された文章を読み上げる患者に必ず出会うと思います。私たちが口を開くより前に、答えは既に患者の手の中にあるのです。 かつて、患者は診察室に「聞きに」来ていました。今は「確かめに」来ます。この違いは、思っているよりもずっと大きいのではないでしょうか。 川口さん(仮名)は、膵癌の再発で私の緩和ケア外来に紹介されてきた65歳の女性患者です。初診の日、まだ椅子